電力自由化で北海道電力から乗り換えるならドノ新電力?

北海道電力は電力自由化によるダメージをもっとも受けている電力会社のひとつです。北海道電力の2015年上半期の販売電力量は前年比5.0%下がり、新規参入が続く新電力に顧客が流れるのを食い止められていないという現状が数値に反映された形です。東日本大震災以降、2回の値上げを実施した北海道電力では、大手電力会社10社の中でもっとも後退しています。

売り上げ縮小の最大の原因である値上げに対して、消費者は厳しい評価を出しており、既に規制の緩和されている50kw以上の大口顧客から、電気料金の安い新電力への切り替えが進んでいます。また2016年の4月より、一般家庭を含むすべての顧客が、電力会社を自由に選べるようになり、「北海道電力離れ」が加速しそうです。

北海道電力は2015年の冬のボーナスをカットすると公表したものの「生活支援金」を社員に支給しています。支援金の額は月給1.4カ月分と大きく、実質ボーナスといっても差支えない内容です。これは、2度にわたる値上げを実施していながらも、業績給であるボーナスを出してしまうと、消費者からの顰蹙(ひんしゅく)を買う可能性があるためです。さらにこの生活支援金の支給は2014年の冬から3度行われており、計画的なボーナスの分割払いといっても過言ではないでしょう。

他にもっと安い電力会社があるのに、わざわざ北海道電力と契約を続けようという人はいないのではないでしょうか?

ちなみに関西電力や四国電力でもボーナスカットをしつつも「生活支援金」を支給しています。これまで独占市場であった電力会社の社員は、電力自由化の危機感がまったくないようです・・・

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電力自由化により後退する北海道電力

2016年の4月より、電力自由化によって一般家庭を含むすべての消費者が、全国の電力会社と自由に契約が可能になります。北海道に住んでいる家庭が、沖縄の電力会社から電気を購入することも可能です。もちろん電力会社を変更しても、これまで通り電気を使用することができ、新電力から電気を購入しても、停電や故障などのリスクが高まることはありません。

電力自由化というと新しくでてきた話のように思いますが、実は1995年より国は段階的に規制を緩和しています。

電力自由化の歴史
1995年 10電力以外の「新電力」解禁
2000年 2000kw以上の契約者に対して、新電力による小売りを許可
2004年 500kw以上に基準を引き下げ
2005年 50kw以上に基準を引き下げ
2016年 一般家庭を含む全ての顧客が、新電力からの購入が可能

大規模工場や大型マンションのような大口契約者では10年以上前から規制緩和されており、新電力への乗り換えが進んでいます。経済産業省は毎年、電力会社の業績を報告しています。

北海道電力収支報告 単位:億
一般需要 特定規模需要 その他 合計
76 -179 146 42

特定規模需要とは、50kw以上の大口顧客で、契約規制のない部門、つまり電力自由化がされている部門です。特定規模需要ではすでに179億円の大幅な赤字を出しています。規制によって守られていた一般需要やその他での利益によって、なんとか黒字になっているものの、2016年4月の規制完全撤廃後にどこまで下がるのかはわかりません。

電気料金引き上げによる家庭への影響は?

実施年月 改定率 経緯
平成25年9月 7.73%
(特定規模需要を除く)
泊発電所の長期停止に伴う火力燃料費等の増加
平成26年11月 15.33%
[12.43%]
(特定規模需要を除く)
泊発電所の長期停止に伴う火力燃料費等の増加
(電源構成変分認可制度による値上げ)

※[ ]内は軽減措置後の数値
参照:北海道電力 電気料金改定情報

北海道電力は2度に渡って、7.73%、12.43%の料金引き上げを行いました。総務省統計局家計調査によると、4人家族の年間電気使用量は13万円弱、毎月の平均料金は1.1万円ほどです(参考:総務省統計局家計調査)。

2度の値上げで7.73%+12.43%合わせて約20%の料金引き上げとすると、毎月の電気料金は2200円の値上げとなります。オール電化の場合は、電化製品の質や数によって上下しますが、1.5倍~2倍くらいです。オール電化の家庭は電気料金引き上げの痛みが、1.5~2倍大きくなります。

北海道で安い新電力はどこ?

電力自由化によって、全国のどの電力会社とも契約できるようになる、というのは法律上の話で、実際にはもう少し事情が違います。新電力といっても、ソフトバンクや北海道ガス、鉄道会社のような全国規模の超巨大企業から、名前を聞いたことのない中小まで様々です。新聞やネットの情報では、数百の新電力が参入しているといわれていますが、実際に一般家庭や中小企業が利用できる新電力は限られてきます。

中小の新電力の場合、自前で発電所を持たないことも多いです。このため、電力自由化に向けて発電所事業を始めた会社から電気を買い取っていますが、電気を送るためには送電線が必要です。全国に張り巡らされている電柱や電線は、すべて大手10電力会社の資産ですから、新電力はこれらの電線をお金を払ってレンタルすることになります。

北海道から〇件、東京から〇件、大阪から〇件と契約を結んでしまうと、北海道電力、東京電力、関西電力と広い範囲の電線を借りることになり、コストが増えてしまい、経営が成り立ちません。

つまり、北海道の家庭や企業に電気を送るためには、北海道の発電所と契約を結んでいる新電力となり、結局のところ北海道に拠点を持つ新電力しか利用することはできないということになります。

また、中小の新電力は、大口顧客としか契約しません。大型マンションであれば、1枚の契約書で100件分の契約ができますが、一般家庭の場合100枚の契約書が必要です。マンションなら検針員が回る効率も良いですし、人件費や管理費が大きく削減できます。このため、中小の新電力は一般向けのプランを持ってない会社も多いです。

実質、一般家庭や自営業、中小企業が利用できる新電力は、一部の大手企業のみとなります。もちろん従来10電力の別の電気会社と契約することもできます。新電力よりも安い電気料金プランを持っている電気会社もあるので、十分な検討が必要です。

北海道ガス 1~4%割引

北海道電力圏内の新電力として注目されるのが北海道ガスです。北海道ガスを利用している場合はセット割引が大きく約4%の削減、北海道ガスを利用していない場合でも1%の料金引き下げになります。

北海道電力と北海道ガスの料金表を比較してみましょう。
※基本料金は同一価格

北海道ガス電気料金
種別 区分 単位 料金単価(税込み)
電力量料金 ~120kWh 1kWh 22.83円
120~280kWh 1kWh 28.82円
280kWh~ 1kWh 32.36円

参照:「北ガスの電気」料金表

北海道電力電気料金
種別 区分 単位 料金単価(税込み)
電力量料金 ~120kWh 1kWh 23.54円
120~280kWh 1kWh 29.72円
280kWh~ 1kWh 33.37円

参照:ほくでん従量電灯 料金表

北海道ガスでは、さらに利用ガスプランによって、電気料金の割引が行われます。

北海道ガス電気料金
帯割引種別 割引率 割引条件
給湯・暖房・融雪割 1% 1k給湯能力10号以上の給湯器・FF暖房機・融雪装置のいずれかが設置されている。
給湯+暖房割 2% セントラルヒーティングまたは給湯器+暖房機が設置されている。
マイホーム発電割 3% エコウィル、コレモ、エネファームのいずれかが設置されている。

年間使用量3120kwの場合、北海道電力では約9万5900円のところ、北海道ガスでは約9万1700円となり、約4400円(4.4%)の削減となります。また、2016年秋からは、ガスや電気の使用量に基づいてポイントが配布されるサービスが開始され、約1%分のポイントが付きます。付与ポイントでは、北ガス製品やスポーツ観戦チケットなどと交換できます。また、北海道ガスを利用しない場合でも約1%の料金引き下げとなり、年間約900円の節約となります。

なお、北海道ガスへの乗り換えによって工事費用や手数料がかかることはありませんので、手続きの手間はありますが損はしません。ただし、基本的に1年契約のため、契約期間中に契約解除してしまうと違約金が発生しますので注意してください。

その他の新電力は?地理的に整備が遅れている

北海道ガス以外の新電力はどこが良いのでしょうか?現状、北海道電力県内は、国内の最北端という地理的な理由から、新電力の参入が一歩遅れているというのが現状です。

セット割引で2年間で最大合計16万円以上の節約ができると広告をうっている、ソフトバンク電気に関しても、2016年4月の電力自由化スタート時には東京電力、中部電力、関西電力圏内からの受付しかしていません。ポイント配布を押し出すエネオス電気や、ガソリン料金が10円/1Lの値引きとなる昭和シェル電気は関東県内のみ、とまだまだ整備が遅れています。

【HIS】
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供給エリア 削減割合 自社発電 セット割引
全国(沖縄以外) 約5% なし 最高3000円

旅行代理店として誰もが知っているHISも新電力事業に参入しています。電気料金は従来料金の5%とシンプルでわかりやすい価格を提示しています。

全国にある店舗を生かし、約300店舗で電気契約の受付もできるように準備を整えています。また、インターネットや電話での申し込みも可能です。旅行と電気の同時申し込みで3000円引きという、本業とのセット割引も打ち出しています。

【FDDI auでんき】
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供給エリア 削減割合 自社発電 セット割引
全国(沖縄以外) なし なし 1~5%キャッシュバック

2016年4月から全国展開する数少ない新電力。auユーザーしか契約できません。

従来の10電力などと提携しており、電気料金自体は従来と同じ料金体系にすることで、消費者の移行がしやすい仕組みを取っている。電気料金が変わらない代わりに、1~5%のキャッシュバックをするという削減プラン。電力消費量が少なくても必ず1%は戻ってきます。

【コープさっぽろ】
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供給エリア 削減割合 自社発電 セット割引
北海道 約3% なし 灯油割引など

150万人以上が加入するコープさっぽろが、再生可能エネルギーを利用する「トドック電力」と、電力買取販売する「エネコープ」の2つの新電力を立ち上げました。コープさっぽろは道内最大の灯油販売店という特徴を生かし、灯油とのセット割を強みとしてます。また、コープさっぽろは格安スマホ事業にも参入しており、スマホと電気をセットにした割引料金も持っています。

利用には、組合員もしくは組合に新規加入する必要があります。

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