アナリティクスを活用したマーケティング分析の仕方

僕は新卒入社ではいった会社がwebマーケティングの会社でした。バナーデザインやサイト構築から、SEO施策、リスティング広告運用などなんでもやる広告屋です。マーケティングをする上で基本となるのが、現状分析や競合調査ですが、webの便利なところは豊富なデータがあることです。特にgoogle analyticsはweb業界に携わる人ならば必須ですし、ブログ運営者さんであれば導入している方も多いのでしょうか。

僕も入社してまずアナリティクスについて勉強しました。しかし、実際に業務がはじまると、会社の中で本当の意味でアナリティクスを使いこなせている人は、社員100人規模の会社でしたが、数人程度でした。ほとんどの人はページビュー数とか、デバイスの比率程度のさわり部分を眺めているだけというのが実態でした。

インターネット上で調べてみても、アナリティクスの導入方法や、タグの埋め込み方、コンバージョンの設定方法、専門用語の解説をしているサイトは多いのですが、マーケティングの視点から、データが何を意味しているのか、どんな施策をするべきなのかという実践的なことはまったく見つかりませんでした。僕はいままでにひとつの会社でしか働いたことはないので別の会社のことは良く知りませんが、似たような会社は多いのではないでしょうか。

特にアフィリエイターさんやブロガーさんはもともとweb業界の仕事をしたことのない人も多く、すすめられて導入してみたけど、いまいち見かたがよくわからないという方も多いと思います。今回は僕がアナリティクスをどんな視点でチェックしているのか、データをもとにどのような施策ができるのかを紹介していきます。

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アナリティクスの基本 用語解説

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アナリティクスには沢山の専門用語がでてきますので、まずは、それぞれがどのような意味を持つのか覚えましょう。もう知っているよ!という方は読み飛ばしていただいても構いませんし、こんな意味もあるんだという新しい発見もあるかもしれないので、再チェックしてみるのもおすすめします。

セッション

セッションとは、1人のユーザーが何回訪問したのかを計測する単位です。セッションには期間が設定されており、その期間は複数回サイトに訪れても同じセッションとしてカウントされます。デフォルトでは1セッションは30分と設定されています。

例えば、1人のユーザーが朝起きてすぐサイトを見て、お昼休みにもう一度訪問し、夕方帰宅後に再訪問すれば、3セッションと計測されます。何度も繰り返しサイトに訪問してくれるセッション数の多いリピーターユーザーは、成果につながりやすい顧客のため重要です。1人あたりのセッション数を高めることで、コンバージョン率も上がります。

ただし、セッションはデバイス毎に計測しているため、例えば自宅ではパソコンを使用しており、日中は会社のパソコンからアクセスする、帰宅途中はスマートフォンで閲覧しているというケースでは、同じユーザーでも別々のセッションとなります。

ユーザー

ユーザーは「ユニークユーザー」「UU」とも呼ばれ、期間内に訪問した固有ユーザーを計測します。同じユーザーが別の時間・別の日にちに再訪問しても、ユーザー数は1とカウントされます。セッションは同一ユーザーでも一定期間を開ければ、複数カウントされますが、同一ユーザーはカウントが重複することはありません。

ただし、ユーザー数のカウントはデバイス毎に認識しているため、自宅ではパソコン、外出中はスマートフォンを利用するというユーザーの場合、同一人物であってもユーザーは2となってしまいます。

ユーザー数は、指定期間を基準としているため、例えば1月に訪問し、2月も訪問すると、それぞれの月ごとにカウントがされます。このため、1月のユーザー数と2月のユーザー数を足しても、1~2月のユーザー数の合計と同じにならない場合があります。

ページビュー数

「ページビュー」や「PV数」などとも呼ばれます。ページビュー数はサイト内のページが何回表示されたかをカウントする単位です。ページの遷移ごとに1回カウントされるため、同じユーザーが同じページを何度も訪問しても、すべてカウントされます。

スマートフォンでページを開いたままにしておいた場合も、しばらくすると再訪問時にリロードされるので、きちんとページビュー数がカウントされます。ユーザーやセッションに影響されないので、純粋に何ページ読まれているのか、どのページが注目されているのかを確認することができます。

直帰率

直帰率は、最初に開いたページから、サイト内の別のページに遷移することなく、サイトを離れた人の割合です。直帰率が高い場合は「おすすめ記事」や「関連記事」など、他の記事やコンテンツへの導線を作ることで改善することができます。

ただし、直帰率が高いことがかならずしも悪いわけではありません。例えばブログやアフィリエイトサイトの場合、バナーのクリックやアフィリエイトリンクを踏んでもらうことで成果になります。しかしこれらのリンクは別サイトへの離脱となってしまうので、アナリティクス上では直帰したとカウントされます。

サテライトサイトや、ECサイトでお問合せを別ドメインにしている場合も同様です。ドメインが変わっても追跡を続ける「クロスドメイントラッキング」という設定もありますが、タグを埋め込むアクセス権がなければ設定はできません。

新規セッション率

新規セッション率は、ユーザーが初めてサイトに訪れた際にカウントされます。Aさんが1月に初めてサイトに訪れた場合、新規セッションは1月にのみカウントされます。もしアナリティクスの表示機関を2月にした場合には、Aさんは新規セッションにはカウントされません。あくまで指定期間内にはじめて来たユーザーだけなので、過去にサイトを見たことがあるユーザーはカウントされません。

新規セッション率が高いということは、はじめてのお客さんが多いということになり、認知が広がっているという意味になります。一方でリピーターが少ないということも意味するので、かならずしも高ければよいというわけではありません。

アナリティクスで確認すべき項目

アナリティクスを活用することよって、どのようなユーザーがサイトに訪れているのか、ユーザーはどのような行動をとっているのかが明白になり、次にどんな施策を打っていけばいいのかというヒントをつかむことができます。

アナリティクスの左サイドバーにある項目は、追加や変更があるため、現時点(2016年2月)での機能をもとに紹介します。

ユーザー > 地域

地域に密着したサービスを行う場合、ユーザーがどこからアクセスしているのかを知ることは重要です。大きな単位でわけると、一般的な日本語サイトに、海外からのアクセスがあっても、見込み顧客としての価値は低くなってしまいます。特に新規サイトを公開時には海外からのアクセスがぐーんと伸びることがありますが、ほとんどは海外の自動システムがちょっかい出しにきているだけです(ほとんどの場合サイトに悪影響はありません)。たくさん人が見てる!と喜んでいても、実際に中身が人間でないことも多いので注意したいです。

アナリティクスの機能では、さらに小さな単位でユーザーの地域性を調べることができ、市区町村のどこからアクセスしているのかも確認できます。たとえば、渋谷のカフェのサイトを運営している場合は、どこの区から来ている人が多いのか、他県からの場合は、旅行の予定を調べている人が多いのかもしれない、といった予測もできます。

もし渋谷区からのアクセスが少ないのであれば、MEO(Map Engine Optimization)を強化して「渋谷 カフェ」などで検索された際に、googleマップ上位に表示されやすくなります。MEOは比較的簡単で、googleアカウントに登録したり、住所情報をサイトに記載するだけで簡単に上位表示されます。

ユーザー > 行動

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新規ユーザーとリピーターの比率や、リピート回数やその間隔といった、具体的にユーザーがどのように行動しているのかをデータとしてみることができます。基本的に、ユーザーは一度の訪問で購入や申し込みをすることは少ないため、リピートユーザーを増やすことが大切です。

ユーザー > 行動 > ユーザーのロイヤリティ

ここでは、ユーザーが1セッションで何秒間サイトに滞在したのかというデータを見ることができます。表の一番上の項目では「10秒以下」で離脱してしまっているので、つまり検索結果などでサイトにきたものの、一目みてなんとなく違うなと思ってサイトを出て行ってしまったユーザーです。10秒以下のユーザーはせっかく訪問してくれたのに、コンテンツを見てもらえなかったおしいユーザーです。このユーザーのロイヤリティを改善することで、結果的にコンバージョン率の向上や、ユーザー評価の向上によってSEO効果もでてきます。

10秒以下で離脱してしまうユーザーを引き留めるためには、サイトの第一印象を決めるファーストビューを改善することが効果的です。例えばトップページであれば、サイトをイメージした画像を配置することで、ユーザーは直感的になんのサイトなのかを知ることができます。記事ページの場合は画像も重要ですが、本文が最初に映し出される画面内にはいっていることが大切です。例えばメニューや新着記事がサイトのヘッダーに羅列されており、本文がどこにあるのか分からないという構造になっていると、ユーザーは記事を探す手間を嫌がり、離脱に繋がります。

ユーザーのロイヤリティを改善することで、見込み顧客を増やすことができるので、成果に直結する非常に重要な情報です。

ユーザー > ユーザーの環境

ユーザーがどのような環境でインターネットに接続しているのか、サイトを閲覧しているのかを知っておくことはとても大切です。webサイトは、OSの種類やブラウザの違いによって表示が様々変わります。とくにIEは規制が多く、サイトが上手く表示されなかったり、動的コンテンツやモーションが機能しない場合があります。

もしIEユーザーが多いのに、サイトの表示がきちんとされていなかったら、当然IEユーザーの印象は悪くなってしまい、お客さんを逃がしてしまうことになります。もしIEユーザーが多いサイトであれば、html5やjqueryをあまり使わない静的なサイトにするなどの工夫が必要です。せっかくサイトを作るのなら最新の機能をつけたくなりますが、そのためユーザーを逃がしてしまっては本末転倒です。

ユーザー > モバイル

近年ではスマートフォンやアイパッドなどの携帯端末からのアクセスが増加しており、ユーザーのデバイス毎に最適なサイトを作ることが重要となっています。また2015年の5月より、サイトのデバイス対応がSEO評価にも影響するようになったため、とても重要なデータです。

情報サイトやECなどではすでにモバイルユーザー数が、PCユーザー数より多くなっている業界もあり、サイトのデバイス対応は非常に大切です。アナリティクスデータを見ると、モバイルユーザーとPCユーザーで直帰率や滞在時間の差に明らかな差がでることも少なくなく、サイトのデバイス対応は必須です。

僕のサイトはwordpressを利用しており、simplicityなどの最初からデバイス対応もしているテンプレートがあるので、手間をかけずにすみます。ブログアフィリエイトを作ろうと思っている方にはおすすめのテンプレートです。

集客 > サマリー

ここでは、ユーザーがどのようにサイトにたどり着いたのかという、流入元を調べることができます。どんなにキレイなサイトを作っても、誰もきてくれないサイトでは意味がありません。ユーザーはSEOからきている人が多いのか、SNSの強化をしたほうがよいのか、といった情報を知ることができます。

【Organic Search】
Organic Search (オーガニックサーチ)とは、いわゆる検索エンジンからの流入ユーザーです。オーガニックユーザー数を増やすためにはSEO施策が必要となります。

【Paid Search】
Paid Search(ペイドサーチ)は、リスティングやリマーケティングなどの広告からの流入ユーザーです。リスティングの広告ワードとサイト内のキーワードを一致させることで、広告ランクが高まり、リスティングの表示順位を改善したり、経費の削減もできます。

勘違いしてしまう方が多いのですが、リスティングとSEOの流入はユーザー層が違うので、どちらの比率が高いから悪いということは、一概に言えません。

【Referral】
Referral(リフェーラル)とは、別サイトからのリンクです。例えばサテライトサイトのバックリンクや、他ブログからのリンクを辿って訪問したユーザーがカウントされます。他サイトからのリンクによる流入は非常に強力なSEO効果があるので、非常に貴重なユーザーです。

このユーザーを増やすには、自前でサテライトサイトを作成しバックリンクを作るか、他のブロガーさんと仲良くなり相互リンクを貼る、ランキングサイトに登録するなどといった施策が有効です。

【Direct】
Direct(ダイレクト)は、ブックマークやURL直接入力してサイトへ訪問したユーザーです。ブックマークをしてくれるユーザーは、サイトへ非常に興味を持っている、強力な見込み顧客です。定期的なコンテンツの追加や、面白記事などでファンを作ることで、リピーターを増やすことができます。

【Social】
Social(ソーシャル)はfacebookやtwitterなどSNSからの流入ユーザーです。一般的にSNSユーザーは成果へ繋がりにくいという傾向はありますが「いいね」や「シェア」によるバズを引き起こすことで、爆発的な流入と認知度の向上を狙うことができます。

SNSでは10代~30代の比較的若いユーザーが多く、ターゲットの興味を引きやすいコンテンツを作ることで、シェアや拡散の可能性が高まります。

行動 > サマリー

サイト内のページ単位で、ユーザーの行動を調査できます。どのコンテンツがよく読まれているのか、PV数や滞在時間、直帰率などをページ単位で把握できます。特に沢山ユーザーが訪問しているページを改善していくことで、コンバージョン率を効率的にあげることができます。

例えばPV数の一番多いページにバナーやアフィリエイトリンクを貼ることで、より多くの人が広告を見ることになるので、商品やサービスに興味をもってもらえる可能性が高まります。PV数が少なかったり、離脱率の高いページは、記事の手直しをすることでSEO順位を上げることができるかもしれません。

「閲覧開始数」という項目は、検索エンジンなどから流入して最初に入ったページであった人の数です。つまり、閲覧開始数が多いページは、流入元としてサイトへお客さんを呼び込んでいる重要なページといえます。

行動 > 行動フロー

行動フローの項目では、ユーザーがどのページに流入し、次にどのページに遷移したのかという、サイト内のユーザーの行動を追跡することができます。離脱数が高い場合は「関連記事」や「この記事を読んだ人はこんな記事もよんでいます」といった項目を追加することで、別ページへの誘導を促すことができます。

また基本的にユーザーはクリックやページの移動を嫌うため、できるだけ少ない回数でコンバージョンページへ誘導することが重要です。サイト構造を見直して整理することで、ユーザビリティの向上につながり、SEO対策にも繋がります。なぜユーザーはこのページに遷移したのか、なぜこのページで離脱する人が多いのかといった、ユーザー視点を持つことで、サイトの質を高めることができます。

僕が実践した例では、トップページからのユーザーの行動がランダムに分散されていたため、商材の検索機能をコンテンツのトップに持ってくることで、ユーザーが探している商品にすぐにたどり着けるようになりました。またおすすめ記事をPV数順にしているサイトが多いのですが、コンバージョンしやすページを紹介することで、コンバージョン率を高めることができます。

行動 > サイトの速度

webサイトの表示速度は非常に重要で、表示速度が0.1秒遅くなるとコンバージョン率が1%下がるというデータもあります。特に最近はモバイルユーザーが増えており、屋外などのインターネット接続が不安定な場所から訪問するユーザーが多く、サイトの「軽さ」は無視できない要因です。

また、googleはサイトの速度をSEO評価にも使っており、サイト速度を速めることでユーザー評価を上げるとともに、SEO順位の上昇も狙うことができます。サイト速度の計測は、PageSpeed Insightsというサイトでしっかりと評価と対策を計測してもらうことができます。

PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)

サイトのページスピードに関して勘違いしている人が多いのですが、ページの表示速度はトップページだけではなく、個別ページもすべて対応している必要があります。ちなみにSEOも各個別ページそれぞれに評価がされているので、トップページだけ対策すればいいというのは間違いです。

僕の勤めていた会社でも、サイトの速度を上げますというサービスをしていましたが、実際にはトップページしか対策をしておらず、半分詐欺のようなサービスでした。クライアントはwebの知識が少ないため、トップページの評価だけ見せられて満足してしまっていました。サイト全体をチェックして修正するのは工数がかってしまうので、仕方のないことなのかもしれませんが・・・。

コンバージョン > 目標

アナリティクスのコンバージョン設定をすることで、ユーザーの特定の行動を計測することができます。例えば、お問合せの完了ページ(サンクスページ)にコンバージョン設定をしておくことで、どれくらいのお問合せがあったのか、いつコンバージョンしたのかといったデータを集めることができます。

コンバージョンにはさまざまな条件を設定することができ、たとえば特定のボタン(アフィリエイトリンクなど)をクリックした場合、特定の位置までユーザーが閲覧した場合など細かい設定をすることができます。

web担当はかならずアナリティクスを毎日見るべし

アナリティクスの機能は日々進化しており、これまでに上げた機能以外にも、ぞくぞくと新しい機能が追加されています。僕は基本的に朝起きたらまずアナリティクスをチェックし、夜寝る前も絶対にアナリティクスを見るようにしています。

これは単純にアクセス数が増えれば嬉しいですし、コンバージョンが立っていれば売り上げが増えて、モチベーションアップにもなります。また、ユーザーの行動にはかならず意味があります。例えば急激にアクセスが増えた日があったとしたら、もしかしたらテレビ番組で話題になったとか、ニュース記事で興味を持つ人が増えた情報かもしれません。情報を探しているユーザーに対して、さらに詳しいコンテンツを追加することで、さらなるアクセスアップに繋げることができます。

また、アナリティクスをチェックすることで、思わぬミスの防止にも繋がります。例えばニュースで大々的に取り上げられた話題は、一晩で今までの何万倍という検索数に跳ね上がることがあります。最近の例でいえば「電力自由化」が2016年の4月からスタートするということで、2016年の1月ごろから急激に検索数が増えています。

このため、電力自由化や新電力についての広告を出稿している企業は、一気にクリック数が増え、思わぬ広告費を計上してしまったという会社もあるでしょう。

もちろんユーザーが広告を見てくれることはよいことですが「電力自由化ってどういう意味?」「新電力とは何だろう?」という、根本的な情報を知らないユーザーの場合、いきなり契約を促すようなサイトへ飛ばされても、まず成果に繋がることはありません。つまり高い広告費を出しても、無駄クリックとなってしまうのです。

リスティングなどの広告を運営している場合は、ニュースやアナリティクス、グーグルトレンドなどを活用してユーザーの動向をチェックしておくことで、無駄な出費を防止することもできます。

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