貯金をするとお金が減ってしまうワケ・上手なお金の使い方

最近、FXという言葉を知らない人のが珍しいというくらいよく耳にするようになりました。

FXとは「Foreign Exchange」の略で、直訳すれば外貨交換、正式な名称は「外国為替証拠金取引」です。ビジネスとして考えるのであれば、日本円をドルやユーロなどの外国通貨を交換したり売買することで、その差分を利益とするものです。

例えば1ドル100円で購入したものが、1年後に1ドル110円に値上がりしていれば、差分の10円が稼ぎになるわけです。

僕は昔、海外に留学していたことがあり、意識こそしてはいなかったものの、実質FXのようなものを体験しました。例えば留学1年目の年は、1ドルが80円くらいで交換できたので、1.5ドルのアイスが日本円で120円で買えました。ところが、留学3年目になると円安がすすみ、1ドル95円くらいになってしまったので、1.5ドルアイスを買うのに、142.5円もするようになったのです。

僕は「もっと昔にアイスを食べておけばよかった」と後悔すると同時に、お金の価値は時とともに変わるということを知りました。

最近でこそ海外旅行や留学に行く人が増えましたが、日本国内に住んでいる限り、為替を気にすることはほとんどありません。ただし、気づいていないだけで実際には、私たちの生活へ大きな影響力を持っています。

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アベノミクス+日銀黒田バズーカの本当の意味

2012年から続くアベノミクスと日銀の金融緩和で株価が上がり、円安によって国内の輸出企業がのきなみ大幅黒字となったというニュースをよく耳にしますが、実際に私たちの生活が楽になったかというと、そうは思えない人のが多いのではないでしょうか。僕はむしろその逆で、生活は苦しくなっていると思っています。

「日銀が金融緩和を実施」と聞くと、なにやら難しそうな話だと感じる人も多いかもしれません。しかし実際にはもっと簡単で、日銀がやっていることはというと、お金を大量に刷っているだけです。

例えば、日本中にあるお金をすべて集めると1000兆円だとします。日銀はお金を1000兆円刷って、日本中のお金を2000兆円にしているわけです。するとどうなるでしょう?基本的にモノは、珍しいものほど高く、ありふれているものほど値段は低くなります。

昔はコショウはアジアにしかなく、ヨーロッパの人は何千キロという道をラクダで砂漠を渡って輸入していました。何カ月もかけて旅をする費用や、途中で盗賊に襲われるかもしれないというリスクもあり、コショウ1gは、金1gよりも高い値段で取引されていました。しかし、現在ではコショウは誰でも手に入れられるようになりましたから、非常に安く買えます。

お金も同様で、日本中のお金の量が2倍になれば、お金の価値は半分になってしまいます。実際に、度重なる金融緩和で円安が進み、1ドル115円(2016年2月現在)前後になっています。今のレートで留学していた高校のアイスを買うと、172.5円も支払うことになります。10年間で50円も値上がりしたことになります。

これは外貨の交換レートが高くなった海外旅行者に不利ということだけではなく、国内の物価にも強い影響があります。

日本中のお金が2000兆円に倍増すると、お金の価値が下がりますから、物価が高くなります。100円のハンバーガーが、200円になります。日本の飲食店の材料は、できるだけ安い食材を手に入れるために、中国の野菜やアメリカ牛など、海外の食材を使っています。円安が進めば、これらの食材の輸入額もあがります。調理するガスや電気なども、基本的に輸入したガスや石油を使っているので、値上がりにつながります。飲食店にとっては、材料費の値上がり分を、メニューの値上げで補うしかないのです。

ここでポイントとなるのが、物価の上昇に対する、給料の上昇率です。

日本人の給料は、基本的に日本円で支払われます。日本円の価値が半分になれば、給料も実質半減してしまうのです。これは給料だけではなく、銀行に預けているお金にも同じことが言えます。100万円預けていたものも昔であれば1万個ハンバーガーが買えたのに、物価が2倍になれば半分の5000個しか買えなくなります。

もし物価の上昇だけ起こり、給料の上昇がなければ、高くなったモノが買えなくなるので、実質給料の値下げということになります。

消費増税で物価上昇

2014年4月に消費税が5%から8%に増税された際に、僕はかなり負担が増えたように感じました。
3%の増税というと、少ないように思う方もいるかもしれませんが、数字に起こして計算すると、その大きさに驚くかもしれません。

総務省統計局の統計によると、2015年12月の2人以上の世帯の1か月の消費額は、1世帯あたり31万8254円です。もし消費税が5%だった場合、30万9414円になります。実に1か月で1万円も消費税に支払うお金が増えたことになります。

1万円分多く消費税に回さなければならなくなったので、私たちは1万円分のモノを買えなくなったことになります。言ってしまえば、給料が1万円分減ったともいえます。

しかし僕は8%の増税時に、もっとダメージが大きく感じました。というのも、消費増税時に、価格の表示法が緩和され、いわゆる「税抜き価格」が許可されるようになったからです。そして規制緩和にあわせて便乗値上げが全国で実施されました

これまではラーメン屋さんに行っても「800円(税込み)」だったのが「800円(税抜き)」になったのです。800円(税抜き)であれば、実際に支払う金額は864円です。3%の増税どころか、8%まるまる値上げされました。

飲食店のみならず、家電量販店やスーパーの食材など、のきなみ「税抜き価格」と称して8%の値上げになっています。消費増税時こそ一部の店が便乗値上げしていましたが、今ではそれが当たり前という風潮で、税込み価格で表示している店の方が少なくなりました。

1世帯の1か月の消費額の平均31万8254円のうち、消費税分を引くと29万4680円となります。つまり8%の便乗値上げで、毎月使えるお金が2万5千円分も減ったことになります。2017年には10%への消費増税が控えており、もしこのまま税抜き価格が許されると、2014年3月と比較して、実質3万円弱の値上げということになります。家計への負担は非常に大きいです。

再増税を見越して税抜き価格の規制緩和がされたという経緯がありますから、10%増税時には再規制するというのが筋ですが、店の表示の全取り換えの時間やコストがかかるため、先延ばしにされる可能性もあります。

10%への消費増税時には軽減税率が導入されるという噂もありますが、法整備にかかる時間と、実際にスーパーの表示やレジのシステムが対応するまでに時間がかかることを考えると、現実的ではありません。先に増税だけして、軽減税率の導入は先送り、税抜き価格の規制がなおざりになる、というのが想定する最悪のケースです。

今後、物価は上昇し、お金の価値は下がる

長期的にみると、物価は基本的に徐々に上昇していく「インフレーション」の傾向にあります。例えば1974年の大卒初任給は6万7800円でしたが、40年後の2014年では20万6258円と、約3.04倍に上がっています。

物価も同様に上昇傾向にあり、1947年には喫茶店のコーヒーが1杯167円だったところ、現在では約350円くらいなので、約2.5倍です。食事や住まいの家賃も同様に上昇しており、お米10kgが1974年では2700円だったのが、現在では5400円と2倍に、ひと月の家賃は1坪あたり1280円(1974円)から6200円(現在)と5倍弱に上昇しています。

近年ではバブル崩壊から続くデフレによって、給料がなかなか上がらなかったり、100円ショップなどの安価で良いモノが買える時代になりましたが、40年前と比較するとかなりのインフレといえます。

もし40年前に1か月分の給料を全て定期預金にいれたらどうなるでしょう。6万7800円に、年1%の金利が付いたとしても、9万4920円です。一生懸命働いたお金を、将来を見越して大事に貯金しておいたものが、40年後に蓋を開けてみると、利息を入れても1か月分の半分にも満たない価値しかなくなっているのです。

現在の初任給の20万円を貯金しておいても、40年後には初任給が40万円になっている可能性も十分あるのです。

さらに今後は少子化高齢化によってインフレが進むと予想されます。こどもが少なくなれば、労働力が減り生産性が下がるので、モノの価値が高まります。労働力であるこどもが減る一方で、労働はしないけれど消費する高齢者が増えるので、モノの取り合いになるわけです。

2060年には65歳以上の高齢者の割合が40%に達するという統計もあり、インフレの傾向は強まるでしょう。実際にドイツとロシアでこの傾向が強く、特にロシアでは年間70万人もの人口が減っています。

お金は持っているだけでも、どんどん目減りしてしまうというのです。

お金の上手な使い方 目的をもった貯金をする

お金の価値は時とともに、変化するということを紹介しました。単にお金を貯金しているだけでは、数十年後には半額以下の価値になってしまう可能性もあります。とはいえ、手元のお金をすべて使い切ってしまい、貯金が無いというのも大きなリスクです。何のために貯金するのか、何のためにお金を使うのかという理由を明確にもつことが大切です。

世界中に価値の変わらないものというのは、ありません。もし今あるお金を守りたいのであれば、お金を生み出すシステムに投資するというのが一番の理想でしょう。

資産運用としてのマンション経営の人気が高いのもこういった理由からです。2億円で10部屋のマンション建て、毎月10万円の家賃で、1年間で1200万円の売上を出します。利子を入れても25年で返済できれば、その後は収入が全て黒字になります。もちろん修繕費などの積み立ても必要ですし、全ての部屋が常に埋まっているというのも難しいですから、元を取るのにもう少しかかるかもしれません。

しかし、物価が上昇し、インフレするということを考慮にいれれば、また違った見方ができます。インフレの際の借金・投資はプラスになります。40年前では大卒初任給は半分でしたし、家賃も4分の1程度でした。現在の2億円の借金も、数十年後には半分の価値に下がり、家賃相場は数倍になる可能性もあるのです。特に都市部への人口集中が加速しており、立地がよければ利益を上げる可能性もあがります。

とはいえ、誰もがマンション経営をしたり、株式投資をしたりということはできません。ではどのようにお金を使うのが正解なのでしょうか?

「1円あたりの満足度」を基準に買い物をしましょう。

例えば、2時間の映画1500円が70点だった場合と、3時間の飲み会3000円が85点のケースを比較します。ただし、費用には、その時間帯の間に働いて稼げたであろう金額(時給1000円)を上乗せします。

映画代1500円 / 2時間 +1000 = 1750円
飲み代3000円 / 3時間 +1000 = 2000円

70点 / 1750円 = 0.04
85点 / 2000円 = 0.0425

飲み会は時間当たりの単価は高いものの、評価点も高かったため、1円あたりの満足度が高いという結果になりました。

収入が多い人の場合は、時間あたりの単価が高くなるため、評価点の重みが上がります。例えば1時間あたり100万円の収入がある人は、代金自体よりも、無駄な時間を過ごしてしまったことに損害を感じます。

商品の単価が高い場合は、満足度はサービス時間の比重が高くなります。例えば5000万円の住宅で評価100点、30年で修理が必要な場合よりも、5000万円で評価80点、40年もつ物件の方が、1年あたりのコストが下がるので満足度が上がります。

相対的に見て、お金の価値がどれくらい変わるのか、モノを買ったことでどれくらい満足できるのかを天秤にかけると、上手にお買い物ができるのではないでしょうか。

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